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行政書士の三浦です。
今回は、「契約自由の原則4つのポイント」と「クーリングオフ」についてご紹介します。
契約自由の原則とは、人が社会生活を営むに際し結ぶ契約は、公の秩序や強行法規に反しない限り、当事者が自由に締結できるという民法上の基本原則のこと。 民法に直接の規定はないが、第90条(公序良俗違反の法律行為の無効)や第91条(任意規定と異なる意思表示)などがその根拠となっている。
「契約自由の原則」の4つのポイント 「契約書作成代行専門 行政書士が解説」
ポイント1 契約を締結する、しないの自由
契約をするかしないかは原則として強要されることはなく、当事者の自由です。
つまり、片方の当事者が契約することを望んでいても、もう片方の当事者が契約を望まないのであれば、契約は成立しないことになります。
ポイント2 契約相手の自由
契約の相手方は自由に選択できるということです。
契約の有無はもちろん、契約相手も自由に選択できます。
ポイント3 契約内容の自由
例として、売買契約では、 「何を売るか、 代金はいくらか、 支払い方法、引渡し時期」など当事者の合意の基、自由に締結できます。
ポイント4 契約方法の自由
契約方法は、口約束や書面、メールでも双方の合意があれば締結可能です。つまり、必ず書面に残し、契約書等を作成しなくとも契約自体は成立しています。
しかし、実務上は、書面を作成することが一般的です。
契約自由の原則の注意点 「契約書作成代行専門 行政書士が解説」
契約自由の原則は、当事者が自由に契約内容を決めることができるということです。
つまり、責任を持って、契約を履行しなくてはなりません。
これは当事者で決めた契約内容と、法律が異なる場合でも変わりません。
法律よりも当事者で決めた契約内容が優先され、履行責任が生じます。
しかし、契約内容が公序良俗違反(公の秩序、または善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とされている)などの場合は、契約自体が無効となる場合があります。
しかし、原則として、当事者で決めた契約内容は絶対的なものとして履行する必要があります。
そのため、契約を結ぶ際には、当然ですが、十分な検討が必要となります。
契約自由の原則は、自由であるという面と、責任を履行しなくてはならないという面を持ち合わせていることになります。
強行規定の場合は、法律が優先 「契約書作成代行専門 行政書士が解説」
強行規定の場合は、当事者で決めた契約内容ではなく、法律が優先します。
強行規定とは、例えば、消費者契約法や特定商取引法といった法律です。
悪徳商法などの場合、事業者のほうが消費者より知識も豊富であるのは当然です。
つまり、事業者が消費者を悪質な商法で騙すことは、容易とも言えるのです。
現に、悪質な商法でのトラブルの増加という社会的問題をふまえ、弱い立場にある消費者を保護するために消費者契約法や特定商取引法が作られました。
悪質な商法での商品購入も双方の同意のもとに、契約を結んでいるとも考えられますが、この場合に法律よりも当事者同士の契約内容が優先してしまうと、消費者を保護できない結果となってしまいます。
消費者契約法や特定商取引法は、消費者の権利を守る、重要な法律のひとつです。
まとめ
現在、インターネットにより様々な方法での商取引が行われており、同時にトラブルも増加傾向にあります。
「契約自由の原則」と聞くと、自由度が高く、理にかなっているという印象があるかと思われます。
もちろんその一面もありますが、逆に自由だからこそ、責任を持って契約を結ばなくてはならないということでもあります。
そのため、当然ですが、トラブルが起きないように事前に検討することが必要です。
ただし、トラブルが発生した後でも打つ手がないわけではありません。
クーリング・オフという制度があり、特定商取引法律等により、一定期間内であれば、理由の如何を問わず、書面により一方的に申し込みの撤回又は契約の解除ができる場合があります。
契約に関してトラブルが起きた場合、訴訟を起こすのであれば弁護士に、クーリング・オフや和解など穏便に済ませたい場合は私たちのような行政書士にご相談ください。
クーリング・オフ期間例
訪問販売(特定商取引法9条)、電話勧誘販売(特定商取引法24条)、特定継続的役務提供(特定商取引法48条)は法的書面の交付日から8日間。
連鎖販売取引(マルチ商法/特定商取引法40条)は法的書面の交付日または商品の受取日のいずれか遅い日から20日間。
で業務提供販売誘因取引(内職・モニター商法/特定商取引法58条)は法的書面の交付日から20日間。
上記期間を経過すると、契約の申し込みの撤回、解除ができなくなりますので、ご注意ください。