※本記事のご内容は、当事務所への実際のご相談内容を基に、個人情報保護等の観点から一部内容をご変更をさせていただき、構成しております。
フリーランス美容師の方からのお客さまとのご契約書についてのご相談
初めまして。HPを拝見してご連絡差し上げております。フリーランスで美容師をしている〇〇と申します。
施術をしていく上で、事前に顧客とのトラブルを回避したく、契約書の作成を考えております。
内容としてはシンプルなのですが、施術結果(髪の染まりやダメージ)において万が一 損害賠償などの話になった時にリスクを最低限に留める内容の契約書をイメージしております。
その場合 作成費用はどの程度かかるでしょうか?お忙しい中 申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
大変お世話になっております。行政書士の三浦でございます。下記、ご回答となります。
>フリーランスで美容師をしている〇〇と申します。施術をしていく上で、事前に顧客とのトラブルを回避したく、契約書の作成を考えております。内容としてはシンプルなのですが、施術結果(髪の染まりやダメージ)において万が一 損害賠償などの話になった時にリスクを最低限に留める内容の契約書をイメージしております。
ご希望のご書面につきまして承知いたしました。
当事務所はご書面作成専門の行政書士事務所でございまして、お伝えのご契約書に関し、多数の作成実績がございますため、こちらの点、ご安心くださいませ。お伝えのご状況におかれましては、「(美容の施術に関する)業務委託契約書」のご作成が適切となられます。
>その場合 作成費用はどの程度かかるでしょうか?
ご配慮いただきまして誠にありがとうございます。
お忙しい中、誠に恐縮でございますが、お見積りを算出させていただきたく、お伝えのご内容以外におかれましてご相談者様が書面にご記載をご希望されるご内容(相手方様との合意内容)がお決まりでございましたら、箇条書きにて構いませんので、ご教示いただくことは可能でしょうか。大変お手数をおかけいたしますが、ご検討頂けますと幸いでございます。
ご記載内容がご不明な場合またはお伝えのご内容以外におかれましては特段お取り決めがございません場合には、その旨をお伝えいただけますと幸いでございます(当該場合には、一旦、当事務所にてお伝えの内容を基に、当事務所からのご提案内容を含ませていただいた原案を作成させていただき、その後、ご相談者様がご確認後、ご修正がご必要な場合はその都度ご修正させていただく流れにてご案内をさせていただけますと幸いでございます)。
ご返信いただきありがとうございます。書面に記載を希望する内容としては以下でございます。
■仕上がりがイメージと異なったとしても責任を負わない
■傷みにより髪の毛が切れる・伸びるといった仕上がりになったとしても責任を負わない
■仕上がり時でなく自宅で過ごしている際に髪が切れたり伸びたりしても責任を負わない
■自店の施術が要因で、次回他の美容室で施術した際に上記の切れ毛などのリスクが発生しても責任を負わない
■こちらの判断で、施術出来ない、したくないと考えたら予約自体を断ることが出来る
■頭皮のパッチテストを行わずカラー施術をすることを承認するが、それによりかぶれや炎症になってもその責任を負わない
■肌にカラー剤が残って沈着しても責任を負わない
(申し訳ありませんが、法についての知識が拙いため【責任を負わない】と記載しましたが、それ自体が契約書において無効でしたら最善策をご教示願えると幸いです。また【責任を負わない】には損害賠償や訴訟自体を回避することができるのか?も知りたいです)
(また、頭皮のパッチテストに関しては通常は行ってからのカラー施術が推奨されております。それをせずに施術すること自体に問題ないかも知りたいです)
長文となり申し訳ありませんが、お時間のある際にご返信いただけますと助かります。
下記、ご案内となります。
>(申し訳ありませんが、法についての知識が拙いため【責任を負わない】と記載しましたが、それ自体が契約書において無効でしたら最善策をご教示願えると幸いです。
ご質問をいただき誠にありがとうございます。
「責任を負わない」とご記載をされること自体では、無効という判断となる可能性は低く、法的に問題ないかと認識をしております。
こちらの点、「責任を負わない」とご記載をされることで、お客様が「施術に対してご相談者様は責任を負わないということに合意した」と言い換えることができるため、リスクヘッジのためご記載をされることが必要であるかと認識をしております。
>また【責任を負わない】には損害賠償や訴訟自体を回避することができるのか?も知りたいです)
ご認識の通り、一定の「損害賠償や訴訟自体を回避」する効力があるかと認識をしております。
しかし、(現実的ではございませんが)ご相談者様の故意や重過失(ミス)にてお客様に損害が発生された場合には、お客様から害賠賠償や訴訟を提起されてしまう可能性はあるかと思われます。
つまり、ご契約書上において「ご相談者様は責任を負わない」とご記載をされることにより一定のリスクヘッジとはなられますが、(ご相談者様の故意や重過失等が発生した場合など)100%法的な請求を受けないかというと、可能性は0ではないというご回答となります。
こちら、美容師様に限らず、事業を行われる事業主の皆様において同一の見解となりますため、事業を遂行されるにあたって、契約書の作成により100%の免責となるということは現実的には難しいというご回答とはなります。
しかし、お客様が「ご相談者様は原則的には責任を負わない」ということに合意されたことの証拠となりますため、ご相談者様のリスクを最小限に抑えるために、実務上はご契約書のご作成は必要であるかと認識をしております。
>(また、頭皮のパッチテストに関しては通常は行ってからのカラー施術が推奨されております。それをせずに施術すること自体に問題ないかも知りたいです)
法的には必ず必要ということではないかと思われます。
つまり、パッチテストをされず、ご契約書上において、「(お客様が)これまで、カラー剤等により、アレルギーや皮膚に異常が発生したことはない」という一文をお入れされ、お客様自らがパッチテストを行わないくても良いと判断された旨のご記載をされることが必要であるかと思われます。
実務上はパッチテストをされることが最大のリスクヘッジとなられるかとは思われますが、ご費用やお時間等を勘案されると難しい部分があるかと思われますため、上記ご記載とされることが現実的にはよろしいのではないかと認識をしております。
ご参考となりましたら幸いでございます。
大変分かりやすく丁寧な内容 誠にありがとうございます。損害賠償に関しまして、責任を負わないという文言を踏まえた上で、支払う額を〇円までとする…という上限を加えることは適切でしょうか?
そちらについてご教示いただけましたら、原案作成の見積もりをお願いしたく考えております。よろしくお願い致します。
>責任を負わないという文言を踏まえた上で、支払う額を〇円までとする…という上限を加えることは適切でしょうか?
ご質問をいただき誠にありがとうございます。お伝えのように損害額の上限を定めることも可能でございます。
金額を明記(例:5万円)されることも可能でございますし、「(お客様の支払額)の〇倍」という形でのご記載も可能でございます。
施術金額がある程度一定の場合には金額を明記(例:5万円)され、施術料金に大きく変動がある場合には「(お客様の支払額)の〇倍」とされることが実務上なスムーズであるかと認識をしております。
上記のように「(お客様の支払額)の〇倍」とされることで、施術料金が3,000円の方も、施術料金が10,000円の方も支払い金額に対して賠償額が決定されることとなりますため、一定の公平性が保てることになり、このようなお取り決めをされることも実務上は多くお見受けいたします。ご参考となりましたら幸いでございます。
>そちらについてご教示いただけましたら、原案作成の見積もりをお願いしたく考えております。
ご配慮いただきまして誠にありがとうございます。
※お見積りをご提示。
では基本的には施術における如何なる事由も責任を負わない→それでも損害額が発生する場合は施術額の〇倍…というスタンスで問題ないでしょうか?
また施術金額は2万円〜3万円が平均でございます。損害額2倍を考えておりますがそちらの適正性は妥当でしょうか?
それらを踏まえた上で正式にご依頼させていただきたいです。
>では基本的には施術における如何なる事由も責任を負わない→それでも損害額が発生する場合は施術額の〇倍…というスタンスで問題ないでしょうか?
ご質問をいただき誠にありがとうございます。
ご認識の通りでございます。「原則的には(一般的な施術内容において)ご相談者様は責任を負われないが、ご相談者様の故意または重過失など、外観的にご相談者様に責任があるということが明確な場合には、施術額の〇倍」というご記載が、現実的かつリスクヘッジとなられるため、実務上は最善(限界)であるかと認識をしております。
>また施術金額は2万円〜3万円が平均でございます。損害額2倍を考えておりますがそちらの適正性は妥当でしょうか?
法的には明確な規定はございませんため、ご相談者様にてご判断をいただくことが可能となられますが、実務上はお伝えの2倍(または3倍)ほどのご記載が多いです。
2〜3倍のご記載となられる理由といたしましては、お客様としても一定の補償を受けられるためお気持ちの部分でご納得されやすく(もちろんご納得されない方もいらっしゃるとは思われますが、ご契約書にて2倍と定められた場合には、原則的には2倍の損害金をもってご相談者様は法的な義務を果たされたことになります)、かつ、ご相談者様(事業主様)におかれましても、2倍〜3倍ほどのご金額にご設定をされることで、事業が傾くような大きな損失にはならないことが予想されるため、2〜3倍程度に落ち着くことが多いかと認識をしております。ご参考となりましたら幸いでございます。
詳細を御説明いただきありがとうございます。では損害額2倍として考えたいと思います。
また追加点として
■当店にて購入、もしくは紹介されて購入した商品におけるトラブルも責任を負わない
■施術に満足せずとも返金対応は出来ない
もお願いしたいです。早速となりますが正式に依頼をさせていただきたいです。
>では損害額2倍として考えたいと思います。また追加点として■当店にて購入、もしくは紹介されて購入した商品におけるトラブルも責任を負わない■施術に満足せずとも返金対応は出来ない
ご意向につきまして承知いたしました。お伝えいただきまして誠にありがとうございます。
ご意向に沿い、誠心誠意作成に務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。
>早速となりますが正式に依頼をさせていただきたいです。
ご配慮いただきまして誠にありがとうございます。
※ご案内書類をご提示
先程振り込みいたしました。この度はどうぞよろしくお願いします。
こちらこそ、この度は、どうぞよろしくお願い致します。
フリーランス美容師の方からのご相談 まとめ
店舗や設備を持たず、訪問等にて美容師業務をされる方からのご相談を多くお受けしております。
美容院は、コンビニエンスストアの4.5倍、約25万店が存在しており、ライバルとの激しい争いが発生している業種となります。
「髪を切る」「髪を染める」「トリートメントをする」という需要自体は常にあるものですが、人口に対しての美容院の数が多くなっている地域もあり、生き残るためには、美容師としてのスキルのみではなく、経営者としての高いスキルも必要となります。
また、美容院を開業する場合には、規模や地域等により相違はございますが、まとまった資力が必要となります。
こちらの点、美容師の方が修行時代に、まとまった資金を貯めることは現実的に難しい部分があるかと思われ、一般的には融資等を受け、開業をされる方が大半かと思われます。
そのため、美容院の経営は、多くのライバルとの争いに加え、開業時において大きな負債を抱えながらとなることも少なくありません。
事業を順調に進めることができれば問題ないかと思いますが、美容院の経営が芳しくなく閉店となった場合、雇われの美容師さんに戻った場合には、弁済が難しくなることが予想されます。
そのため、リスクヘッジの意味も含め、まずは訪問等のフリーランスにて開業され、地域のお客様がある程度見込まれる場合には、店舗開業という流れがリスクを最小限に抑えるという意味では最善であるかと認識をしています。
フリーランス美容師の方専用 美容師業務委託契約書 ひな型のご案内
当事務所では、フリーランス美容師の方専用 美容師業務委託契約書のひな型を販売しております。 フリーランス美容師業務委託契約に関する一般的な事項は網羅しておりますので、当事者様間にて特段のお取り決めがございません場合には、こちらのひな型のご活用もご検討ください。 もちろん、1からのフリーランス美容師業務委託契約書のご作成も可能でございますので、ご要望の際には、お気軽にお問い合わせください。